1991年公開のディズニーのアニメーション映画『美女と野獣』で英語を学びましょう!

野獣に変えられた王子

ディズニーのアニメーション映画『美女と野獣』は、美しい森の場面から始まります。明るい日差しの下、鹿が小川に流れる水を飲み、鳥がさえずりながら飛んでいます。その森の奥に、大きなお城がそびえ立っていました。

お城の窓の1枚が、ステンドグラスの絵本のようになり、ナレーションが始まります。

[ナレーション]
Once upon a time, in a faraway land,
a young prince lived in a shining castle.

[字幕]
昔 遠い国の輝く城に 若い王子が住んでいた

[ナレーション]
Although he had everything his heart desired,
the prince was spoiled, selfish and unkind.

[字幕]
何不自由なく育ったので
わがままなうえに
思いやりを知らなかった

spoiled = 甘やかされて育った

王子は、欲しいと思うものは何でも与えられたようです。

ある冬の夜、老婆がお城にやって来て、一輪のバラを差し出し、一晩泊めてほしいと王子に頼みました。みすぼらしい姿の老婆でした。王子は老婆を冷たくあしらい、追い返そうとしました。

[ナレーション]
But she warned him
not to be deceived by appearances,
for beauty is found within.
And when he dismissed her again,
the old woman’s ugliness melted away
to reveal a beautiful enchantress.

[字幕]
人を外見で判断しないようにと
忠告する老婆を王子が再び追い立てた時
醜い老婆は一瞬にして美しい魔女に変わった

be deceived = 惑わされる、だまされる
appearance = 外見
dismiss = 退ける、拒絶する
enchantress = 魔女

「beauty is found within」は「美しさは内側にある」という意味です。外見ではなく、目に見えない心の美しさのことですね。この映画のテーマでもあります。

字幕は、文字数の制限があるからか、「人を外見で判断しないように」になっていますが、吹替では「見かけに騙されて人の心の美しさを見逃してはいけない」と言っています。

王子は慌てて謝ろうとしましたが、魔女は王子の心に愛がないのを見抜いて、お城に魔法をかけ、王子は野獣の姿に変えられてしまいました。お城にいた召使たち全員にも魔法がかかりました。

魔女がくれた赤いバラは、王子が21歳になるまで咲き続けます。

[ナレーション]
If he could learn to love another
and earn her love in return
by the time the last petal fell,
then the spell would be broken.

[字幕]
最後の花びらが散るまでに
愛し愛されることを王子が知れば
呪いは解けるのだ

petal = 花びら
spell = 魔法、呪い、呪文

ちなみに、字幕では「呪い」、吹替では「魔法」と訳されています。個人の好みによりますが、「魔法」の方がお話に合うように感じます。販売されているMovieNEX(ブルーレイとDVD)の製作スタッフ欄によると、翻訳者はふたりいるようで、森みさ氏と野崎文子氏です。どちらがどの翻訳かは不明ですが、字幕翻訳と吹替翻訳をそれぞれが担当されたのではないかと思います。

王子が人を愛し愛されれば魔法が解けて人間に戻れるけれど、21歳までにそれができなければ、永遠に野獣のままになってしまいます。野獣になった王子は、いったいどうなるのでしょうか?